Jazzといえば、サックスものが好きという方や、いやいやピアノトリオが最高という方、トランペットが入っていないとJazzじゃないという方、様々いらっしゃると思う。私も個人的にトランペットが好きなので、トランペットのワンホーンもののCDやらレコードをたくさん持っている。もちろんテナーサックスと一緒にやっているクインテットものもたくさんある。
けれども、ジャズを語るときに忘れてはいけないのがオルガンもののジャズだろう。オルガンもののジャズは主に60年代〜70年代のソウルジャズなんかが有名だけれど、ジミースミスはもっと前からハードバップのレコードを残しているし、もっと古くはWild Bill Davisなんかもいる(どっちが先だったかよく覚えていないけれど)。ハモンドオルガンは教会にあったりした影響もあって、ゴスペル音楽ではなくてはならない存在でもある。色々な倍音を組み合わせて鳴らす楽器だから、鋭くピチャピチャした音色から、フルオルガンの荘厳なサウンドまで出せてしまう。コーラスやらヴィブラート、レスリースピーカーによるフェイザーのようなエフェクトをかけることもでき元祖シンセサイザーとも言える楽器だ。
そんなオルガンのサウンドはジャズにもよく馴染む。
私は特にRichard ”Groove” Holmesの奏でるオルガンのサウンドが好きでプレスティッジ時代からFlying Duchmanの頃の音源まで隈なく聴いている。どれも彼の強烈なスウィング感、その名の通りグルーヴを聴くことができる。ジャズのベースラインで最もスウィングするのは彼の左手によるベースラインかも知れない。とにかく、聴いていると身体が暖かくなってくる。だんだんエンジンが暖まってくるような感覚だ。
オルガンもののジャズでもう一人忘れてはいけないのがJoey De Francesco。惜しまれつつ2022年に亡くなってしまったが、幸いにもたくさんのアルバムを遺してくれているので、それらを聴いている。Joey DeFrancescoはRichard Groove Holmesよりももっとモダンで都会的な雰囲気を持っていて、それでも古き良きジャズの世界へと繋がっているのだが、オルガンの限りない可能性を感じさせてくれる。
ジャズのオルガン弾きには偉大なプレーヤーがたくさんいるのだけれど、あまり派手な演奏をする人がいないせいか、オルガンもののジャズの話をして一緒に盛り上がってくれる仲間が少ない。けれど、ジャズ(それもモダンジャズ)好きならオルガンが引っ張るグルーヴを受け付けないという人は少ないはずだ。
私自身も、東京に住んでいた頃には自宅の書斎にHammond B3を置いていた。B3に特別な憧れがあったからである。けれども、オルガンという楽器はピアノとも違い、習得するのが特に難しい。結局全然弾けるようにならないまま手放した。あの、真空管が熱くなり、爆音を放つ楽器は素晴らしかった。
今まで、ハモンドのジャズを聴いたことがないという方には、まずRichard Groove Holmesの「Soul Message」というアルバムをおすすめする。彼の代表的な一枚だ。それを聴いてオルガンの沼にハマってしまった方は幸せである。なにせオルガンもののジャズの名盤は数限りなくあるからである。

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